私の農薬使用のポリシー
@ 当農園では、幼い我が子が食べても大丈夫な野菜作りを目指しています。
A 圃場の生態系を豊かにするために、天敵・益虫・ただの虫までをも排除するような非選択性の農薬(有機リン系・カーバメート系・合成ピレストイド系)は一切使用しておりません。
B 出来る限り農薬を減らすために、天敵やただの虫が増えるような工夫をしています。(バンカープランツとしてハウス内に麦を植えています)
注意:ここで記載されていることは、私自身が勉強をして得た知識と実際の栽培経験から得た知識から、現時点で正しいと思われる事を記述しています。そのため科学技術の進歩と経験の蓄積が進むにつれて、記載内容が変わることがありますので、ご了承ください。
減農薬への試み
農薬散布はあくまでも最終手段として考えています。少しでも農薬を減らせるよう、工夫をしています。
ある作物だけを1つの場所で大量に栽培すると、その作物を好む虫(害虫)が発生します。そしてその虫を食べる天敵も発生します。自然界ではこうしてバランスをとっています。しかしハウス内は、自然環境とは少しばかり隔離されているため、天敵などが入り込んでこない場合があります。そこで私の圃場では、天敵が入り込んで来やすい工夫をしています。またある特定の害虫だけが大発生しないように、ハウス内外の生態系を豊かにする工夫もしています。
ハウス内に麦を播いています。
バンカープランツといって、天敵の住処になる場所です。
麦には、麦にはムギクビレアブラムシがつきます。この虫は、麦しか食べません。そのアブラムシを食べようと、様々な虫(天敵)たちがハウス内を訪れます。この虫たちは、ベビーリーフについた他のアブラムシもやっつけてくれます。
また麦の茂みが陰になり、周りにはたくさんの種類の虫が育ちます。ハウス内の生態系を豊かにすることで、特定の虫だけが大発生しないよう試みています。
一部のハウスでは、入り口付近にミントを植え込んでいます。
ミントはベビーリーフとは科が違うため(ミントはシソ科・ベビーリーフはアブラナ科、キク科、アカザ科など)、寄生する害虫が異なります。このことで圃場付近の生態系が豊かになります。またミントの茂みが、益虫でも害虫でもないただの虫を育み、生態系を豊かにしてくれます。
農薬の散布時期
農薬の散布は例年、虫が活動的になる4月上旬ごろから始めています。そして散布の作業は、虫の活動が収まる10月下旬ごろまで続きます。散布作業の開始や終了の決定は、実際に圃場で害虫の有無を確認してから決めていますので、年によって時期がずれることがあります。
11月から3月ごろに栽培されているベビーリーフには、栽培期間中、農薬を散布することはありません(暑さや天候などにより散布の時期が変わりますので、あくまでも目安です)。
今年の散布は4月17日から開始しました。
害虫(ベビーリーフを食べる虫は、主につぎの虫です。)
キスジノミハムシ
コナガ
ヨトウムシ
カブラハバチの幼虫
シロイチモンジマダラメイガ
ハモグリバエ
アブラムシ
使用農薬
種まき
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芽が出てから
2〜4日頃
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モスピラン水溶剤4000倍希釈
アファーム乳剤 1000倍希釈
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1回目の農薬散布から約1週間後
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ゼンターリ顆粒水和剤1000倍希釈
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収穫
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注意:ベビーリーフに含まれるデトロイト・ほうれん草には、ゼンターリのみを使用しています。他の農薬は使用しておりません。
モスピラン水溶剤
有効成分:アセタミプリド・・・20.0%
キスジノミハムシ・コナガ・ヨトウムシ等に効き目のある農薬です。
タバコに含まれるニコチンに由来する薬物ですが、ニコチンよりも低毒性の物質を使用しています。虫の神経細胞に作用します。クモなどの天敵には作用しにくくなっています。
アファーム乳剤
有効成分:エマメクチン安息香酸塩・・・1.0%
ハモグリバエ・コナガ・ヨトウムシ等に効き目のある農薬です。
有効成分は自然物に由来します。放線菌(Streptomyces
avermitilis)から単離された殺虫活性をもつ薬剤を使用しています。食害作用に重点をおかれた農薬であるため、天敵などベビーリーフを食べない虫には害が小さいです。
ゼンターリ顆粒水和剤
有効成分:バチルス・チューリンゲンシス菌の生芽胞および産生結晶毒素・・・10.0%
土壌中に通常存在する昆虫病原菌バチルス・チューリンゲンシス菌が有効成分です。虫を殺虫する作用があるたんぱく質を含んでいます。殺虫たんぱく質は、昆虫の消化液中のみ活性作用しますので、ベビーリーフを食べた虫のみに作用します。天敵などのほかの虫への影響は少ないです。また昆虫と人は、消化作用が違いますので、人体への影響はありません。
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